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​Daigokumon

第一次大極殿院

大極門

第一次大極殿院大極門(南門)の組立について

このページでは大極門(南門)の初重組立について、ご紹介します。

初重というのは、門の一階部分の呼び名です。【その1】と【その2】に分けてご紹介します。この頁は【その2】です。

【その1】では​三の肘木までご紹介しました。【その2】では、四の肘木から扱いたいと思います。

四の肘木(よんのひじき)は、三の肘木の上に組み上げられています。実は、四の肘木だけでなく、この後、尾垂木(おだるき)をつけることになる、尾垂木掛(おだるきかけ)と呼ばれる部分も組み上げたのが下の写真になります。

ちなみに尾垂木(おだるき)とは、組み物の一部で、隅に斜めに組み込む柱です。

​少し後に、またご紹介します。

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近くで見ると、更に背が高くなっていることが分かります。写真も三脚の足を大分伸ばして撮影しています。この三脚、3メートル位まで伸ばせるんです!

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下の写真では、上でも少し触れた尾垂木(おだるき)が組み立てられました!写真を見ると分かりますが、尾垂木(おだるき)は、屋根の骨組みになる木材です。なんとなく、屋根の形がイメージできませんか?

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この上に、地垂木掛(じたるきかけ)・小天井受(こてんじょううけ)・丸桁(がぎょう)という木材を組み上げていきます。上の写真から増えたものを説明していきます。
地垂木掛は、垂木という屋根のあばら骨のような部材を掛けるもので一番内側に増えた木材です。小天井受は一番外の赤い木材(丸桁)四周に直角に差し込んである木材で、この上に小天井(下から門の外側の天井を見上げた時に見える格子)を載せるものです。丸桁(がぎょう)は一番外側の四周を囲む赤い木材のことです。
​中側に木材が増え、がっしりしてきたなという感じです。

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少し近づいてみましょう。端っこの部分です。この上に地隅木(じすみぎ)という木材を載せるのですが、きちんとはまるように、整えられていることが分かります。切込みが四つ、直線的に並んでいるのが見えます。奈良名物でもある、そうめん(素麺)を流す竹枠をついついイメージする位、直線が整っていました。
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この切れ込み、宮大工さんが作っているのですが、その様子をご覧ください!
槍鉋(やりがんな)という刃物を使って、木材の表面を整えているところです。切れ端は「鉋屑(かんなくず)」と呼ばれますが、「かんな花」ともいって、最近は「かんな花アート」に使われることもあります。
​ちなみに、檜(ひのき)を削っているので、とてもいい香りなのです!
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​かんな花が生まれる瞬間です!

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削りあがった面は、素手で触ってもスベスベでした。木材にありがちなささくれ(トゲトゲ)がないように削りあげています。

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削りあがった木材が並べてあるのが、なんだか素敵な構図になっていました。それぞれに切れ込みが入っています。

この切れ込みにも、相欠き(あいかき)・鎌継(かまつぎ)など切込みの形によって呼びかたが数種類があります。つなぎ方も、継手(つぎて、木材の長さを増す形でつなぐつなぎ方)や仕口(しくち、二つの木材を直角につなぐつなぎ方)などの呼びかたがあります。

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この次に、小天井組子と地隅木が組立てられます。格子のようなもの(小天井組子)が増え、四隅に長い木材(地隅木)が据え付けられたことが分かるでしょうか。小天井組子とは、建物の壁の外側に張り出した部分の天井につける組子のことです。

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小天井組子を下から見た図になります。なんだか雅(みやび)な感じが増してきました!

​灰色のベルトは、後から上に載る重みを考えて据え付けたもので、木材が上に行き過ぎないように下に引っ張っています。よく見ると、外側が少し上に上がっているのが分かるでしょうか。

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この格子の上に板を張っていきますが、これを小天井板と呼びます。下の写真では、上から白い板が加わった様子が分かるかと思います。

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光の違いではこんな風にも撮れます。とても綺麗!と感動するレベルでした。

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赤と白のコントラストが素敵です。

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さて、小天井板と同時に、飛檐隅木という木材が組み立てられていました。四隅に突き出た柱の上に木材が足され、(3枚上の写真より)柱が更に長くなっています。写真の右下部分にご注目ください。

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上からの全景写真は、もう納まらなくなって来てしまいました・・・

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近くで見ると、なかなか迫力があります!

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この後、地垂木(じだるき)・面戸板(めんどいた)・木負(きおい)という部材を組み立てていきます。更に屋根の骨組み、あばら骨に当たる部分(地垂木)が加わっています。

​この地垂木の一部が朱色に塗られていますが、その間に小さな白い板がはめ込まれています。これが面戸板と呼ばれるもので、地垂木と地垂木の間を塞ぐことで、鳥などが入り込むことを防止するための部品です。

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​地垂木の朱色部分の上に木の地肌が見える部分があります。これを近くで見たのが、下の写真です。横から見ると、ノコギリの歯のようなギザギザとした形をしています。これを木負(きおい)と言い、凹の形の隙間に、飛檐垂木(ひえんだるき)という木材を組み上げていきます。飛檐垂木をのせることで、軒が大きくなり、建物を大きく見せることができるようになります。

下は飛檐隅木(ひえんすみぎ)を中心に撮影した写真ですが、飛檐隅木の右側は、面戸板と木負もよく見えます。

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木負に更に近づくとこんな感じです。整列した感じが美しいです。

地垂木から漏れる光が余りに美しいので、三枚ほど写真を並べてみます。一枚目は格子状に差し込む光の美しさ、二枚目は後光っぽさ、三枚目は宮大工さんのヤリガンナ跡が綺麗に見えるところにご注目ください。

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さて、ここまでで初重(しょじゅう)と呼ばれる、門の一階部分の木材の組立を見てきました。

続いては二重(にじゅう)と呼ばれる、門の二階部分の組み立てを見ていきます。

​下のリンクから、どうぞご覧ください。

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